特集 伊豆急向け8000系
※おことわり
以下に記載する内容については、筆者本人の経験と推測より記述されているものが多く存在するため、
事実とは異なる可能性が十分あることを承知された上でご覧くださるようお願いいたします。

1.形式概要
伊豆急では100系を全廃し、113系・115系が種車である200系・250系についても置き換える計画がある。また、株式の割合から事実上の親会社になった東京急行電鉄では東横線・大井町線で活躍している8000系の一部を廃車にし始め、新型車両や既存の形式のやりくりで置き換えている。しかしオールステンレスで知られる東急の車両は30年を超えた使用にも耐え車体には問題がない。そこで地方私鉄への譲渡を始めることと成った。8500系の組替で発生した8723と大井町線への8500系投入に伴う余剰車の8049がデモカーとして改造され2輌を生成している。また、Tc1・M1・Tc2を重点的に余らせて長津田検車区内に留置していたが、2004年春頃から動きが始まり長津田工場へ移動している。その改造は全般検査と同時に行われ中間電動車であった8723には運転台、また同じく中間電動車であった8130は8129とのユニットを組んでトイレが新設されている。いずれの車両も車内は片側は既存のロングシートであるが、反対側には西武10000系の座席更新で不要になった座席がボックス型に配置されている。8000系更新車のいわゆる歌舞伎シールははがされ、あらたに伊豆急向けのブルー二色を用いた装飾となった。第一弾の10輌(4輌編成×2本・2輌編成×1本)は長津田から12月中旬に伊豆急に送られた。
営業開始に先立ち3月30日に公募による試乗会、そして4月1日からは晴れて営業運転についている。運用は現在のところ固定で伊東線内へ乗り入れる列車については4+2の6輌編成を組成して運行されている。
2輌編成のT51編成については1M1Tの編成を構成していたが、非常時を考慮してTcのMc化を実施した。(2006/02)
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| ▲デヤに挟まれ回送(8011F) | ▲8111+8112 |
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| ▲デキに押され入場 | ▲8049F・8011F(2輌) |
2.形式
改造されたあとも既存の形式を掲げたままなので、それを利用する。
2.1.各車の最終経歴と現状
Tc
| 旧車号 | 新車号 | 方向 | 最終所属 | 搭載機器 | |
| 8011 | 8011 | Tc2 | 起点方 | 元住吉 | MG |
| 8012 | 8001 | Tc1 | 終点方 | 元住吉 | CP |
| 8029 | 8012 | Tc2 | 起点方 | 元住吉 | MG |
| 8030 | 8002 | Tc1 | 終点方 | 元住吉 | CP |
| 8035 | 8051 | Tc2 | 起点方 | 元住吉 | MG+CP |
| 8049 | - | Tc2 | 起点方 | 長津田 | MG |
M1
| 旧車号 | 新車号 | 最終所属 | 搭載機器 | |
| 8111 | 8201 | M1 | 元住吉 | CH |
| 8112 | 8101 | M1>M2 | 元住吉 | 改造後CP |
| 8129 | 8202 | M1 | 元住吉 | CH |
| 8130 | 8102 | M1>M2 | 元住吉 | 改造後CP |
| 8155 | 8151 | M1>Mc | 元住吉 | CH |
| 8723 | - | M1>Mc | 長津田 | CH |
2.2.編成組成
上段:旧形式
下段:新形式
<終点方 起点方>
T-1編成
| Tc1 | M1 | M2 | Tc2 |
| 8012 | 8112 | 8111 | 8011 |
| 8001 | 8101 | 8201 | 8011 |
T-2編成
| Tc1 | M1 | M2 | Tc2 |
| 8030 | 8130 | 8129 | 8029 |
| 8002 | 8102 | 8202 | 8012 |
T-3編成
| Tc1 | M1 | M2 | Tc2 |
| 8003 | 8103 | 8203 | 8013 |
T-4編成
| Tc1 | M1 | M2 | Tc2 |
| 8004 | 8104 | 8204 | 8014 |
T-51編成
| Mc | Tc2 |
| 8155 | 8035 |
| 8151 | 8051 |
デモカー(T-52編成)
| Mc | Tc2 |
| 8723 | 8049 |
2.3.各形式
・デモカー
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| 8723-海側 | 8049-海側 |
・伊豆急向け
| ▲8012(8029)-山側 | ▲8202(8129)-山側 |
| ▲8102(8130)-山側 | ▲8002(8030)-山側 |
| ▲8051(元8035) | ▲8151(元8155) |
※8011Fについては写真を掲載しないが、実車を見たところ8029Fと改造内容の差異は見られない。(種車上の違いはある)
3.改造点
3.1.編成上の改造
東急線では東横線で8輌、もしくは大井町線で5輌編成で運用されているが、今回の形態は編成中に二つパンタグラフを残したまま2M2T編成を構成するという新たな形態となった。4輌編成となる種車は2輌あるM車の編成順番を入れ替えてM2となる車両は主回路を外してユニット構成車となっている。走行関係でもっとも変化があるのはM2車であろう。また種車のままだと搭載されないTc1・M2車にはCPが新たに搭載されている。さらに走行線区の特性上、既存車に存在する便所の設備をM2車起点方山側に搭載した。それに伴う水周り関係の機器も搭載している。
3.1.1.先頭車改造車
8135(M1)はMc車へ改造された。主な改造点は終点方に運転台を新製するため、鋼体から改造を行い、一般的な8000系スタイルの前面に必要のないものを除いたすっきりとしたものとなっている。室内見つけ、運転台機器も統一されているが2輌編成の組成に対応するため、床下機器の搭載方法については一部と異なっている。
| ▲8151先頭車改造部 | ▲室内(新製運転台部) |
3.1.2.運転台
先頭化改造車に限らず運転台は機器の配置変更を行っている。ワンハンドルマスコン力行4N・制動7N+非常は変わらないが、化粧シート貼替・ブレーキ指示器のLED化(東急5000系タイプ)・ATC信号指示器取外し・メーター類配置変更・スタフ用電灯パネル取付となっている。無線機も伊豆急線内及びJR伊東線内用のものに交換されたが、スイッチ類は特に変わっていない。
| ▲運転台 |
3.2.集電関係
M2車のBFが不要となるので撤去され、MFのみとなっている。
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| ▲M2車ヒューズ付近 |
3.3.車内
編成の海側シートをすべて西武10000系の座席更新で発生したものに変更している。リクライニングは作動せずドア間に2クロス設置している。山側は既存のロングシートとスタンションポールである。
・側引戸かもい部フルカラーLED表示器搭載
・ドアチャイム取り付け
・側引戸動作スピード減速
・自動放送化に伴うスピーカー交換
・座席配置変更に伴う、床材張り直し(滑り止めは除く)
・つり革一部撤去及びつり革を短縮タイプに交換
・網棚支えの一部形状変更
・側引戸付近ポール追加
| ▲クロスシート | ▲車端部・車椅子スペース |
| ▲室内表示器 | ▲放送装置 |
| ▲車端渡り板 | ▲側引戸部滑り止め |
| ▲網棚 | ▲点検蓋 |
3.4.便所
M2車には起点方山側車端部に便所が設置されその山側はフリースペースとし座席は設置されていない。便所ユニット直下にはカセット式汚物処理装置が搭載された。2輌編成にはスペースの都合から設置されていない。妻側仕切り戸は固定されておらず両開きの便所側は開いてしまう傾向にある。妻面の窓もステンレス板でふさがれている。
| ▲トイレ部 |
| ▲室内トイレ部 |
3.5.装飾帯
種車によってはいわゆる歌舞伎スタイルのシール装飾が施されていたが、改造の初段階で綺麗に剥され譲渡先の伊豆急100系よろしくハワイアンブルー系の明るいブルーを色違いで二本まいてある。ドア部は除かれているが、乗務員室側開戸には貼られており側面に比べ前頭部は帯が太い。ビード部とそうでない部分で長さに差が出るので貼り分けてある。装飾類はすべてシール施工。
| ▲乗務員開戸付近 | ▲前頭部 |
3.6.先頭車機器
連結器下部に車上子らしき座が取り付けられている。また、終点方先頭車には山側にCPを搭載、屋根上のアンテナはJR系統の無線アンテナに交換されている。
写真では連結器自体は5000系の回送等にも用いられた灰色塗装のものが装着されているが胴受けが黒塗装で東急で使用しているものとはバネが異なっている。回送後に、密着連結器と交換されている。
JR線内を走行するということもあり列番設定器が搭載されている。また、助手側にはATS-Pに関する機器箱
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| ▲ATS車上子・主排障器 | ▲簡易排障器 |
| ▲先頭車屋根部(8002) | ▲列番設定器 |
| ▲ドアスイッチ | ▲ATS-P関係機器箱 |
3.7.Tc車のMc化
海岸線区であるものの勾配が多く、T50〜の編成はM車解放時に走行不能に陥る可能性が高い。そこで、Tc車をMc化し2M編成とする改造がなされた。同時に離線防止対策としてPS35CをMc2(元Tc2)車の先頭空調装置を撤去箇所に装備した。ここには乗務員室用の小型空調機器を装備した。
4.総合動作
4.1.力行
東急線時代には6M2Tもしくは3M2Tであったものを移籍に伴い2M2Tとした。主回路は界磁チョッパ制御で変化はない。また、1C8Mの並列接続も極一般的なものとなっている。筆者は8000系列のMT比同率の記憶が無いので残念ながら比較は出来ないが、限流値等は以前のままで多少の加速力減としているように感じた。ただし、東急時代とはあまり差がないようにも思える。
4.2.制動
電力回生ブレーキを搭載しており移籍後も稼動している。ただし、限流値は絞ってあるようで筆者が乗車時は伊豆急線内では25km/hで、JR伊東線内は45km/hで回路を切断していた。切換スイッチは無線・電制等を一元して運転台助手席側のスイッチで行っている。動作に関しては失効状況が多いようである。
| ▲回生ブレーキ動作時 | ▲回生ブレーキ非動作時 |
| ▲JR<>伊豆急機能切換スイッチ |
5.今後
車内には全色LED表示機や新色の座席モケットは新設、変更されている。これにより伊豆急の一部の既存車を置き換える予定だ。
20041205修正・加筆
20041221修正・加筆
20050128修正・加筆
20050507修正・加筆
20050617修正・加筆
20060324加筆